2023年12月13日

古田史学会報

179号

1,「朱鳥改元」と
「蛇と犬が倶に死ぬ」記事
 正木裕

2,柿本人麻呂と第一次大津宮
 日野智貴

3,柿本人麻呂系図の考察
 古賀達也

4,裴世清は十余国を陸行した
 
岡下英男

5,古田武彦古代史セミナー
2023に初参加の記
 倉沢良典

6,「邪靡堆(ヤビタイ)」とは何か
 野田利郎

7,「壹」から始める古田史学四十五
 倭奴国と邪馬壹国・奴国②
古田史学の会事務局長 正木裕

 

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古田武彦古代史セミナー2023に初参加の記

千葉市 倉沢良典

 二〇二三年十一月十一日・一二日の一日半に渡って八王子大学セミナーハウスで開催された古田武彦古代史セミナー2023「倭国から日本国へ」に初参加いたしました。
 大学セミナーハウスに最寄りのバス停・野猿峠でバスを降りてうろうろしていると参加者の三名の壮年の方から「どこへ行かれるのですか?」と声を掛けられ、同行させていただくことになりました。会場は小高い山の頂上一帯に広がる広大な施設。著名な建築家の設計だそうでピラミッド状や逆ピラミッド状の近未来的な建物群です。受付を済ませると、会場が開く前に早速昼食でした。一泊四食付きの参加費ですが、小生は放送大学生なので半額以下で申し訳無い位です。先ほどの三名の内のお一人井上肇さんと並んでお話をしながら美味しいハヤシライスでした。
 会場になった講堂横に図書館があったので入ってみると、古田武彦先生関連の書籍が沢山。聞くと古田先生に傾倒していた二名の方の旧蔵書が寄贈されたものであるとの事でした。普通の図書館では見られない貴重な本が沢山あり、欣喜雀躍いたしました。
 八王子のセミナーの二日前に古田史学の会に入会したい旨のメールを送っていたので、古田史学の会のZOOMでお見掛けしていた古賀達也さんから、「今度入会する倉沢さんですか?」と声を掛けられびっくり。また同ZOOMでお会いしていた谷本茂さんともご挨拶できました。
 初日最初のセッションは若井敏明氏の「日本書紀よりみたる古代ヤマト王権の成立と発展」です。若井氏の学問上のお立場は古田史学とは別視点でしたが、津田左右吉の学問的変遷についての解説は新知見でした。大越邦生氏の論点整理でお見せいただいたビデオは初心者に分かりやすく、ぜひネットで公開して欲しいと願います。
 セッション終了後はこれまたおいしい夕食。その後は懇親会でZOOM参加の古田光河氏から「古田武彦古代史研究会」について紹介がありました。初参加の方から発言をと司会の方から指名されましたので率直な感想を申し上げました。
① 私は古田武彦先生に直接お目に掛かれなかったので、先生と直接お会した経験のある方はその時の思い出を文章にして、それぞれに所属の会の機関誌やホームページに記録として残してほしい。百年後・千年後の研究者に重要な資料となるから。
② 会場をお見掛けしたところご年配の方がほとんどで若い人がいない。これではこの先この会は持続できない。十年後には自然消滅してしまうだろう。若い人に声を掛けましょう。ちなみに私はボランティアで家庭教師をしている中学生に古田史学の古代史を教えた。「ただし、これを学校のテストで書いたら0点だからね」と念を押しました。とお話したところで会場から大爆笑。またその中学生が「高校生に成ったら私と一緒に参加したいと言っている」と付け加えると拍手も頂戴しました。
 懇親会後、井上肇さんのご提案で氏のお部屋にて二次会を致しました。井上肇さんが若井氏と和田昌美氏にもお誘いをしたので若井氏と和田氏もお出でになり、四人で深夜まで歓談いたしました。
 第二日目はバイキング式の朝食の後、昨日の会場で「倭国から日本へ」のテーマに沿った研究発表とパネルディスカッションが行われました。ようやく古田説の最新の進展のお話でした。昼食後も「倭国から日本へ」のテーマで今回私が是非聞きたいと思っていた、新庄宗昭氏の藤原京の講演。その後古賀達也氏の「律令制都城論と藤原京の成立」でした。皆様エビデンス・ベースト・ヒストリーと論理的展開に気を配った解説でした。非常に納得できます。

 私は古賀氏の講演後、「古田武彦先生の万葉集論に倭国から奈良王権に移ってきたと推定できる人の歌で『こちらもあちらも、同じようなものだ』と言う意味の和歌を踏まえた質問をしたのですが、古賀氏は万葉集はまた別の機会にと、それにはお触れに成りませんでした。
 一日半のセミナーは実に充実した内容でした。今回参加されなかった方は次回はぜひ会場にお見えいただきたい。また若い人に声をかけて若い参加者を増やしたい。私は先の中学生以外に、以前勉強を教えていた専門学校生にも声を掛けてあるので来年はぜひ誘いたいと考えています。(二〇二三年十一月二四記)


 これは会報の公開です。史料批判は、『古代に真実を求めて』(明石書店)が適当です。

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