2012年8月10日

古田史学会報

111号

1、太宰府出土「戸籍」木簡
多利思北弧まぼろしの戸籍か!
 大下隆司

2、神功皇后と盗まれた神松
 正木 裕

3、「百済禰軍墓誌」について 
「劉徳高」らの来倭との関連
 阿部周一

4、続・越智国にあった
「紫宸殿」地名の考察
 合田洋一

5、書評
古田万葉論三部作
『古代史の十字路』復刻
(洛中洛外日記より転載)

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書 評

古田万葉論三部作

『古代史の十字路』復刻

(古賀達也の洛中洛外日記より転載)

第423話 2012/06/10
古田万葉論三部作『古代史の十字路』復刻

 ミネルヴァ書房より、古田武彦万葉論三部作の第二弾『古代史の十字路』が復刻されました(古田武彦古代史コレクション12)。既に復刻された『人麿の運命』と共に古田武彦万葉論の傑作とされる名著で、同書により万葉集研究は歴史学の新たな段階へと発展しました。
 同書に収録された「籠もよみこもち」「天の香具山」「春すぎて」「中皇命」「雷山」などの歌や作者についての、多元史観・九州王朝説による画期的な論証の数々により、万葉集の歌が歴史史料として生き生きと蘇っているのを読者は見ることができるでしょう。そして、万葉集が指し示す古代の真実を知ることができるでしょう。
 そして同書には有り難いサプライズが最終章に用意されています。読者や古田史学の会・会員(4名)から寄せられた質問・疑問などに対して、ひとつひとつ丁寧に紹介し、「回答」されているのです。今年一月に大阪で開催された古田史学の会・新年賀詞交換会でのわたしからの質問に対しても7ページを割いて回答されています。古田学派の研究者・弟子としてこれほど有り難く名誉なことはありません。
 古代史ファンだでなく、万葉集ファンにも是非読んでいただきたい一冊です。そして三部作のもう一冊『壬申大乱』の復刻も待ち遠しいものです。


 これは会報の公開です。史料批判は、『新・古代学』(新泉社)・『古代に真実を求めて』(明石書店)が適当です。

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