2006年 6月 6日

古田史学会報

74号

『なかった』の創刊
にさいして
「磐井の乱」造作説の徹底
 古田武彦

2洛中洛外日記より転載
大野城から刻木文字が出土
 古賀達也

「トマスによる福音書 」
 と「大乗仏典」
 今井俊圀

太田覚眠と「カ女史」
の足跡を訪ねて
 松本郁子

放棄石造物と九州王朝
 竹村順広

木簡に九州年号の痕跡
「三壬子年」木簡
 の史料批判
 古賀達也

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 上条 誠

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古田史学会報74号 2006年6月6日

 

読者からのお便り

会員の皆様へ

福岡市 上条 誠さん

 古田史学の会の成長を喜びながらも、少しだけ気になることもあり、今回皆様にお手紙を差し上げるつもりで書いております。
 私達は古田先生の学問の方法に魅力を感じて集う会だと思っております。 (1).大胆に仮説をたて緻密に検証する。 (2).思い込み、あるいは常識なるものに惑わされない。 (3).子どもにもわかる論理で平易な言葉でわかりやすく。 (4).孫引きをしない、また検証しない他説を自己の論証に使用しない。 (5).あらかじめ結論を決めて論を進めないetc。すでに私達の共通の学的土俵になっているはずです。
 さて私自身の敬愛する古賀さんには優れた論文が数多くあり会の事務局長という多忙な要職をしていただいているから、会のニュース発行のため未だ検証が不十分だと認識しつつも発表される論文が有るのはしかたないと思っております。それは古賀さんの今現在の思考研究の過程を発表したものであり私たちに問い掛けるために発表された研究過程であるととらえるべきものでしょう。
 最近のものでは、会報に発表され今回『古代に真実を求めて』の第9集に掲載された「『古事記』序文の壬申大乱」がその例だと思います。私自身は賛否保留としか言えない論文です。その理由は「投夜水」の投がいたるとなぜ訓めるか私には分からない事。夜水が夜川は理解出来ますが夜水が夜川であるから、それは一夜川の事という点が理解出来ないことによります。だから南山は高良山であるという地点まで到らないまま、古賀さんの更なる研究の進展を待っているわけです。
 古賀さんの論文には早速反響がありました、古田史学東海の林さんからです。こういった反響の速さが会の良さですね。平城京出土の木簡に書かれた[南山之下有不流水其中有一大蛇九頭一尾・・・]を取り上げての立論で前記古賀論文に触発されつつ思孝の一端であると明記し論を進めています。ここには佐賀県神埼郡の櫛田宮に伝わるヤマタノオロチ伝説とか、もっと詳しく知りたい情報もあり楽しく読めるのですが、先程私が態度保留とした部分の検証等が述べられていない点が気になります。古賀さんを尊重する意味からも再検証が必要なのではないでしょうか?筆不精な私にもいつも親切にしてくださる林さんだからこそお願いします。
 また『東海の古代』七〇号の[独自遁于豊前國上膳県 終于南山峻嶺之曲]筑後國風土記逸文を取り上げての南山論はここの文が対句になっている点と[于]の使用方法に対する誤解であり従来の読み方でよいかと思われます。再考をお願いいたします。論を深めるためにも私たちは古田先生の学問の方法をいつも念頭に置いて進んでいきたいものです。ただ大胆に仮説を立てる素晴らしさを忘れずに、提起された仮説を生かすためにもその後に続く論者の検証は大切だと思いこの文を書く気持ちになりました。御?容を!
 最後に一つ。先記論集に発表された飯田満麿さんの論文「継体紀の秘密」は礼儀礼節を忘れない力作で感動して読ませていただきましたが二三一頁の四点を先入観を持たず読むならば継体の反乱も磐井の乱もましてや磐井の死亡もなかったというのが一番シンプルな結論と思われますがいかがでしょうか?また教えてくだされば幸いです。これからも皆様の論文を楽しみにしています。福岡天神より。


記念講演会・定期会員総会のご案内

編集部

 来る六月十八日(日)、大阪にて古田史学の会講演会と第十二回定期会員総会を開催します。会員の皆様の出席をお願い申し上げます。なお、当日の午前は関西例会を開催します。

□日時 六月十八日(日)
    午後一時三〇分〜四時三〇分
□会場 大阪市立総合生涯学習センター
   大阪駅前第2ビル5階第二研修室
□講師・演題
(1).古川清久氏(本会会員・武雄市在住)
 馬門─阿蘇ピンク石と「石走る淡海」─
(2).古賀達也(本会事務局長)
 「三壬子年」木簡と大長年号の史料批判
□参加費 七〇〇円

 今回の記念講演では、佐賀県武雄市の古川氏より、昨年古代船による運搬実験で注目を集めた「大王の石棺」阿蘇ピンク石の産地宇土半島馬門の現地調査報告や、不知火海「淡海」説の検証などタイムリーなテーマが報告されます。
 古賀事務局長からは九州年号研究の成果である「三壬子年」木簡の発見と検証について、『二中歴』に見えない大長年号の位置付けについての新説が発表されます。いずれも、パワーポイントや映写装置を使用して、迫力ある大画面で解説がなされます。これらは古田学派による昨年度を代表する研究成果です。


『古田史学の会』会報発送宅配便使用のお知らせ

事務局

 本号より『古田史学会報』の発送を郵便局から宅配便に変更しました。これは経費節減と発送作業負担軽減を目的としたものです。ゆくゆくは今までのように会報を三つ折りにせず、A4サイズのままでお届けする予定です。
 宅配便に変更するにあたり、誤配などを避けるために、皆様の住所を細部にわたり正確に記す必要があります。もし、現在登録されている住所表記が不十分な場合はその旨事務局まで御一報下さい。また、会報は通常偶数月の初旬に発行しておりますが、もし届かない場合があれば、事務局へご連絡下さい。ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。(事務局)


会員便り

▼本号も古田先生や今井さん松本さん等の力作が掲載できた。寄稿が増えると会報のレベルも向上する。切磋琢磨していきたい。
▼六月には会員総会で講演。七月二日も名古屋市公会堂で講演します(古田史学の会・東海主催)。多くのご参加をよろしく。
▼この会報が届く頃には古田先生編集の『なかった─真実の歴史学』が発刊されている。年2回の発行。多くの方の定期購読をお願いしたい(2頁参照)。
▼二〇〇六年度会費がまだの方はお支払いの程、よろしくお願いします。@koga


 これは会報の公開です。史料批判は、『新・古代学』(新泉社)・『古代に真実を求めて』(明石書店)が適当です。
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