中国の古い伝説やことわざに「千里馬」が出てくる。一日に千里を駆けるすばらしい名馬をさす。広く使われた時代の里程では千里は四三五キロ程をさし、東京―大阪間ぐらいであるから、今日の列車・自動車なみでそんな馬は空想的である。 しかし数学書【周髀算経】から計算される千里は七七キロ程度であって、マラソン競争の距離の二倍に満たないから、一日にこの距離を行く馬なら駄馬とは云えないにしても特別ではない。
第二章 邪馬一国から九州王朝へ I 短里論争 『よみがえる九州王朝』へ