古田武彦氏の説から得られた結論、たとえば「九州王朝の実在」は利用し、これに他の方法論から得られた考察、たとえば「東アジアの政治情勢」を適用して、古田説とは異なる説を立てる論者がある。これは別にわるいことではなく、興味ある仮説に至ることも多い。
しかし方法論が異なるので、古田説との論争としてはかみ合わない。われわれは何かの判断を行う場合、すでに知っている知識、即ち「常識」にとらわれやすい。史料や測定結果が常識にあわないとき、史料や測定方法があやまっていると考えやすい。「論理」に従わねばならない。 『「邪馬台国」はなかった』『真実の東北王朝』
方法論の徹底により、古田氏の部分的結論も、あとで変更ありうる。