「論理の導くところへ行こうでないか、それがいずこに至ろうとも」
ソクラテスの言葉であり、古田武彦氏の信条でもある。どのような権威者のことばであってもその論理を自分で納得できなければ、自由人は従うべきではないし、真実を求める学問上の行動としてはなおさらのことである。このソクラテスの言葉で大切なのは後半の「いずこに至ろうとも」の部分である。自分でも予想もしなかった結論に至り、世間から嘲弄され、はては権力の迫害を受ける可能性もある。
それでも真・善・美を求めるのが人間の理想であり、本性ではあるまいか。
『「邪馬台国」はなかった』(朝日文庫)
『邪馬壹国の論理』(朝日新聞社)絶版