古賀事務局長の洛中洛外日記
第32話 2005/10/01

新東方史学会会長に中嶋嶺雄氏

 新東方史学会立ち上げの講演会(9月24日、京都市・アヴァンティホール)にて、新東方史学会の役員・事務局人事が発表されました。会長には元東京外語大学学長で秋田に新設された国際教養大学学長の中嶋嶺雄氏が就任されました。副会長には、荻上紘一氏・佐々木正峰氏・宮島成壽氏の三名、事務局に鴨下武之氏(多元的古代研究会)・高木博氏(東京古田会)が就任されました。会計は高木氏が兼任されます。
 創立にあたり、古田武彦氏から次の「宣言」が発表されましたので、転載します。

  宣言 ─新東方史学会、設立のために─

 誰も知らぬ夜、歴史の転換が迫っている。
 幾千万年、人類は「進化」に「進化」をつづけてきた。その間、数十億、数百兆の動物や植物を殺し、自己自身すなわちおびただしい人間を殺しつづけて今日に至った。宗教も国家も、それをとどめるにはあまりにも微力であった。
 果たしてそのような生物、人間という名の生物はこの地上に生きつづける値うちがあるのか。エジプトにいたというスフィンクスは、地球の一隅でそれを問いつづけている。
 しかし、ためらう必要はない。必要なものは「知」である。人間とは何者か。そのなしてきたことを知り抜くことである。その中に転換の鍵がある。「知識だけでは。」「もっと他(ほか)のものが。」など、あらゆる雑音に迷わされず、知ること、知り抜くこと、この点が、その一点のみが歴史の転換の起爆剤となろう。「知の凝集」という一点から、全宇宙をとどろかす一大爆発のエネルギーが誕生するのである。
 わたしは、それを歴史の中に見た。人間のなしてきたことのすべて。もっとも広い意味でそれが歴史だ。その探究である。もう一度言う。「人間は何をしてきたか」これを知ることである。それが創造の出発だ。
 そのさい、たった一つの条件がある。「あらゆる既成の}わく‾を}わく‾とせぬこと。」これである。すべての知識に「盲従」せぬことだ。それなしには、知識という名の一大爆発はおこりえない。絶対に誕生しえないのである。
 今、日本はその転換の扉の前にいる。その扉を静かに押すこと、わたしたちがなすべきこと、なさねばならぬことはこの一点にすぎない。
 それが今回の「新東方史学会」の創立である。わたしはようやく七十九歳に達した。

                      ─二〇〇五・八月二十日記了─
    古田武彦 拝


新東方史学会の事業については、16話を参照。


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