古賀事務局長の洛中洛外日記
第199話 2008/12/13

『高良山物語』

 拙宅の前の河原町通の銀杏並木も枝が切り払われ、いよいよ京都も冬支度の頃となりました。そんなある日、書庫を整理していると『高良山物語』という小冊子が目にとまりました。おそらく20年ほど前に購入したものですが、昭和9年に久留米市の菊竹金文堂から出版され、昭和53年の復刻版です。著者は倉富了一とあります。
 神籠石で有名な高良山の古代から近世までの歴史や伝承、研究などが要領よくまとめられた一冊です。もちろん大和朝廷一元史観の立場から著されていますが、様々な史料や伝承などが紹介されており、高良山研究における貴重な文献と言えます。その中に大変気になる一節があります。
 それは神籠石を紹介したところで、高良山神籠石の他に女山・鹿毛馬・雷山・御所ケ谷など著名な神籠石と並んで、「八女郡串毛村田代」という神籠石が紹介されているのです。わたしはこのような神籠石の存在を聞いたことがありません。もしかして、未だ学界に報告されていない神籠石が八女郡にあるのかも知れません。どなたか、近郊の方で調査していただければ有り難いのですが。


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