古賀事務局長の洛中洛外日記
第138話 2007/08/16

大文字の送り火

  今日は京都五山の送り火の日です。拙宅の近所からは大文字を間近に見ることができます。それは有り難いのですが、夜遅くまで家の前のバス停が見物客でごった返すので、うるさくて仕方ありません。
  五山の送り火や鞍馬の火祭り、久留米大善寺の鬼夜など、全国各地に火祭りがありますが、人類の祭の中で、火祭りはかなり原初的な祭ではないでしょうか。というのも、人類が他の動物に対して優位に立てた理由の一つが、「火の使用」だったからです。ですから、火に対する畏敬の念は、大自然に対するものと同じくらい強く深かったこと、疑えません。
  同じく、弓矢の発明も人類にとって、他の動物との力関係を逆転させた、一大事件だったと思われます。ですから、騎射神事も各地に見られること、当然だと言えるでしょう。
 こうした火祭りや騎射神事を研究することにより、人類の発展史を知ることが出来るのではないでしょうか。幸い、日本ではこうしたお祭りが各地に残っており、御祭神も含めて、研究へのアプローチは抱負です。大文字の送り火も、その風情とは別に、このような観点から眺めてみたいものです。


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