古賀達也の洛中洛外日記
第796話 2014/10/01

白村江戦の合同慰霊祭

 今朝は仕事で新大阪駅に行ったのですが、新幹線用みどりの窓口に長蛇の列ができていましたので、駅員さんに何事かとたずねたところ、東海道新幹線開業50周年記念入場券購入のために並ばれているとのこと。新幹線改札口では駅員が無料で0系からN700A系までの歴代新幹線車両が描かれたクリアシートを乗降客に配られていました。水野代表にも差し上げようと思い、わたしは催促して2枚いただきました。民営化してJRのサービスは本当に良くなりました。
 懐かしい初代0系はノーズが丸く、500系はコンコルドのように尖っています。これはトンネル突入時のドーンという衝撃音(業界用語で「トンネル・ドン」と言う)を緩和するためのデザインですが、その結果、先頭車両の客席数が減り、営業的にはマイナスとなったそうです。その後も改良が続けられ、客席数を減らさずにトンネル・ドンも緩和するデザインとして現在の700系が採用されました。このように新幹線も進化しています。山が多い島国ならではの進化ですね。
 新大阪駅から東京行きのぞみ16号に乗ったのですが、新大阪駅で降りた人が新聞をシートに残されていたので見てみますと、私の故郷の地方紙「西日本新聞」でした。懐かしい新聞でしたので目を通したところ、22面(ふくおか都市圏)に「白村江の戦い『1350年前のえにし』交流に」「慰霊祭 太宰府から参加」という見出しがありました。同記事によれば、10月4日に韓国扶余郡で第60回「百済文化祭」が催され、白村江戦で亡くなった人々(唐・新羅・百済・倭)の合同慰霊祭が行われるとのこと。扶余と姉妹都市の太宰府市に招待があり、市長らが参加されます。
 同記事には「この敗戦(白村江戦)を機に、博多湾奥に水城や大野城が築かれた。」とあり、残念ながら西日本新聞の記者(南里義則さん)は古田説・九州王朝説をご存じないようです。しかしながら旧百済の地である扶余での慰霊祭に招待されたのが「大和朝廷」の奈良市長ではなく、九州王朝の旧都・太宰府市の市長であることは、招待する側の「歴史認識」がうかがわれます。冷え込んでいる日韓両国の友好親善のためにも、こうした取り組みは意義があることと思います。慰霊祭の成功を期待します。


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